ライター 阿部真麩美
昨今のコロナ対策の一環で、不自由な生活が続いています。
日常の買い物程度の外出で静かに暮らしていますが、困ったことのひとつに「お気に入りの納豆が手に入らない」があります。
一時期はスーパーから一斉に姿を消していたものの、最近は銘柄にこだわらなければ購入できる状況まで回復していてありがたいのですが、アレルギー持ちの私はもう何年も朝の納豆汁を欠かしたことがないため、ひきわりタイプが手に入らないことが不満。
朝から自分で納豆を刻むのはなんとしても避けたいし、小粒納豆だと食感が全く異なるからです。
#うちで過ごそう
#猫と過ごそう
#カリカリーナ宣伝大使
モデル猫さん募集中!!
朝食の定番は、酒粕で作った豆乳ヨーグルトと非加熱蜂蜜で作ったハニーナッツ、納豆とアカモクの味噌汁など、免疫力向上効果の高い食材をてんこ盛りにすることでアレルギー&コロナ対策を行っています。
というのも、夜はお酒を嗜むため、健康のことを考える理性があるのは朝だけだからです。
納豆汁に入れるアカモクというのは、ギバザとも呼ばれる海藻の一種で、数年前に健康情報番組で取り上げられてから大ブームになったもの。
免疫細胞を活性化させるだけじゃなく、肝機能を向上させたりダイエットにも効果的だと広まったため、入手困難な時期が長く続きました。
実はこのアカモク、ブームになる前は海の厄介者でした。
船のスクリューに絡みつくとエンジンが停止して航行不能になるし、漁網に付着したり養殖ノリの品質を落としたりと、漁師さんにとってはまさに天敵。
アカモクをもじってジャマモクなんて呼び方をしている地域もあったんですよ。
それが今や、値段も貴重さもスーパーフード並みの扱いに。
この状況、なんだか江戸時代には誰も食べなかったのに、昭和になったら圧倒的な人気を誇るようになったマグロのトロを連想させて、「これって現代の猫またぎでは?」と思い至り、早速、猫好きの叔母に報告しました。
「そういえば」と叔母が語り出したのは、五島列島に旅行した際のお土産のこと。
中国地方出身の友人に五島産の「アオサ」を渡したところ、「うちの地域ではアオサは食べないの、というか嫌われる食材なのよ。もったいないから他の方に差し上げて」と、親しいからこその本音を言われたそう。
がっかりしながらも思い出したのは、叔母自身も似たような体験があったこと。
福島出身の叔母にとって「ミズ」という野草は、採っているのを見られると「あれしか食べるものがないのね」と思われるような恥ずかしい食材。
ところが、同じ東北でも日本海側の地域では、季節の到来を知らせる野草として珍重されていることを知って、とても驚いたそうです。
「これもある意味猫またぎだとすると、猫は時代だけじゃなく地域もまたぐってことじゃない?」と、いつものように適当な根拠による猫賛歌で話を終えました。
気分を良くしたところで改めて「猫またぎ」の意味を調べると、「魚の好きな猫でもまたいで通り過ぎる、味の悪い魚」とありますが、その後に「関西地方では、猫が口にできる部分がないくらい身の無くなった魚の骨、転じて美味しい魚のこと」と正反対の意味もあるじゃないですか!
アカモクが船のスクリューに絡みついたかのような破壊力で、私の思考は停止したのでした。
やっぱり、猫が絡むと一筋縄ではいかないもんだニャ〜。
------------------------------------------------------------------------
#9 もう応募したかニャ?モデル猫さんの魅力を最大限に引き出す写真の撮り方は