ライター 阿部真麩美

先日、名古屋大と国立天文台などのチームが巨大な「モンスター銀河」を発見したとの記事が掲載されました。
巨大な「モンスター銀河」を発見 猛烈なガスの嵐で星を大量生産 [毎日新聞]
くじら座の方向にある111億光年離れた「J0107a」という銀河です。
これまでは、モンスター銀河は銀河同士が衝突して合体し、巨大化したものだと考えられていましたが、J0107aは他の銀河と衝突した痕跡がないのだとか。
つまり、この銀河は生まれた時から超巨大だったということで、この発見により、モンスター銀河形成論に見直しが入る可能性も浮上しているそうです。
歴史が変わる可能性を秘めた偉大な発見だ!と思いながら梅雨空を見あげていると、ふと「そういえば、おおいぬ座こいぬ座はあるのに、ねこ座は聞いたことがないな」という思いがよぎりました。
早速調べてみると、やまねこ座はあるものの、ねこ座はあったのですが淘汰されてしまったのがわかりました。
18世紀の天文学者ラランドが、自分の愛猫をモチーフにねこ座を作ったのですが、あまりに私的だということで広まらなかったんですって。
干支は12しかないから省かれるのは仕方ないとして、星座は国際天文学連合が認定したものだけで88個あります。
そんなにあるのに、ねこ座がないなんて。
これだけ愛されているのに、猫って今ひとつメジャー感に欠けるのよねと不満に思いながらも、「そこがまた魅力なんだけど〜」と愛をこじらせてしまうのが、われら愛猫家たちの性分です。

こじらせついでに思い出したのが、2001年公開の映画「キャッツ&ドッグス」です。
世界征服を企む猫と、それを阻止する犬、当然猫の敗北で終わるという誰もが想像しうる内容の映画でした。
(未見ですが、2010年公開の続編「キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争」では、猫に配慮したのかどうかわかりませんが、犬と猫が力を合わせて人類を救うそうですよ)
ただ、忘れられないシーンが一つ。
「世界征服を企んでも許されるのは、猫だけ」というセリフです。
ここだけは、「その通り!」と大きく共感したのでした。
2017年に猫の飼育頭数が犬を超え、コロナ禍が猫ブームに拍車をかけ、2025年のネコノミクスの経済効果は約2兆9000億円と22年比5割増しに急拡大した現在。
シャネルやロエベなどのハイファッションが猫をフューチャーし、猫カフェも世界中でオープン。
これはもう、世界征服に王手をかけたと考えざるを得ません。
それどころか、猫さんは既に宇宙にも触手を伸ばしていました。
その証拠がこちらの画像。
宇宙の神秘 コズミックフォト 写真特集 [JIJI.COM]
ほら、猫さんの「宇宙買いましたから、押しときますね」の肉球印、くっきり見えるでしょ?
これは地球から5500光年離れた天の川銀河のさそり座の方向にある「NGC6334」で、別名「猫の手星雲(猫の足星雲ともいう)」。
名付けのセンス、抜群です。

さて、宇宙の覇者としての玉座はカリカリーナで良いとして、侵略の第一歩に必要なのは移動手段となるロケット。
ここは是非、カリカリーナにZOOとかMAREのように安心してすっぽり納まっていられる宇宙シリーズの爪とぎを作ってもらおうじゃありませんか。
何しろ、何光年も離れたころまでワープしながら移動しないとなりませんからね。
それにしても、雲の上の大宇宙を思い描くと、野望もとんでもなく壮大になりますニャ。
