カリカリーナのKAI工場長もお世話になっている、安房中央動物病院の作佐部紀子(さくさべ のりこ)先生に、猫の健康にまつわるあれこれを教えていただく連載コラム。第九回目は、「猫の年齢別の食事」です。子猫・成猫・高齢猫ごとの食事について紹介します。猫の健康を守るためにも、ぜひ猫のごはんについて知っていただけたら嬉しいです。

① 子猫期のごはん

生後9週間~1歳くらいまでの子猫期は、たくさんのエネルギーが必要になり、体重が爆発的に増える時期です。1日に必要なエネルギーは体重1kgあたり、約80Kcal。生後10週の子猫は、約250Kcalも必要とします。
そのため、1歳までは必ず子猫期用のフードを与えましょう。子猫期用のフードは、カロリーが高く作られておりタンパク質も多く含まれているのが特徴です。
味の好みは生後半年までに決まる
猫は、生後半年くらいまでに食べたもので、好みが決まるといわれています。これは母親から与えられたものを“安全なごはん”として認識してしまうからです。
例えば小さい頃からドライフードしか食べていなかった子に、歯が悪くなってきたからウェットフードをあげようと思っても、残念ながらほぼ食べてくれません。子猫時代の食事が今後を左右するといえます。
おすすめはドライフード+トッピングごはん
成猫になってから食で困らないためにも、子猫期からドライフード+トッピングごはんを与えるのがおすすめ。この時期にさまざまな食材にトライすることで、いろいろな食材を食べられるようになるからです。
トッピングごはんをつくるときは、お肉やお魚をどんどん試しましょう。消化しやすくするためにも、細かくしてあげると良いです。トッピングごはんをはじめる目安は、生後2ヶ月くらいから。生後半年くらいまでには、ある程度いろいろな食材を試しておくと、今後の食事もスムーズに進むといえます。
子猫期は体重を増やすことが重要
猫の体重が増えると食べる量も増加していくため、その子の体重に合う量を食べさせてあげましょう。そのため、体重が順調に増えているかどうか、こまめに確認することが重要です。
ポイントは、1週間に1回体重を図った際に体重が増加しているかどうか。生後半年くらいまでは、常に体重が増加している状態が望ましいので、飼い主さんは気にかけるようにしましょう。

子猫期は、栄養価の高いフードを1日3.4回に分けて与えましょう。基本的に食べたいだけ食べさせてあげてok。ただ、お腹にドライフードがたまった状態でお水を飲むと吐いてしまうことがあります。
その場合は、ドライフードの量を減らしてウェットフードを増やすなど、調整してください。体重が増えていないときは、獣医さんに相談してみましょう。
② 成猫のごはん

成猫になったら突然食べる量が減りますが、これは体の成長が終わったサイン。至って普通のことです。そこからは成猫用のごはんに変わる時期であると覚えておきましょう。
成猫の食事は、1日に3~5回に分けて食事を与えるのがベスト。成猫は1回の食事でねずみ一匹分の栄養素が必要になります。消化器官のしっかりした子であれば、生肉にもどんどんチャレンジしてほしいところです。

子猫同様に成猫もドライフード+トッピングごはんがおすすめです。猫の口の形によっては食べにくいドライフードもあるので、フードの形状にも気を付けましょう。例えば鼻や顔が短い猫種の場合、食べにくい形状のフードがあることを覚えておいてください。
また、成猫が1日に必要とするカロリーは体重や運動量によって変わります。肥満にならないよう気を付けながら、下記の計算式で必要なカロリーを算出しましょう。
~カロリーチェックの計算式~
猫の体重 (kg) ×30+70=理想のカロリー (kcal)

カロリー算出の注意点
カロリーを出すときは、猫が太りすぎていないか確認してからにしましょう。太っているかどうかのチェックポイントは、下記の通りです。
・下腹部に脂肪の塊がある
・肋骨になかなか触れることができない
・腹部が丸い・腹部が垂れ下がっている
愛猫が太りすぎかどうか気になる方は、獣医さんに相談してからカロリー算出をしてみましょう。また、月に1度は体重を図ってあげて、健康管理をしてあげてください。
また、フードによってうんちやおしっこの状態が変わります。合わないフードを与えた際に嘔吐や下痢を引き起こすこともありますので、常に食事の際は猫の様子をチェックしてあげると良いでしょう。
成猫の詳しい食事内容については、下記の記事を参考にしてください。
猫に必要な栄養は「ネズミ丸ごと1匹分」。トッピングごはんのすすめ
キャットフードはどう選ぶ?原材料や添加物の有無などチェックポイントを解説
③ 高齢猫のごはん

高齢期の猫は、運動量が落ち代謝も低下するため、成猫に比べて2割減ほどのカロリーで足りるようになります。成猫用フードだとカロリーを摂取しすぎてしまうため、高齢期用の猫のフードに切り替えてあげましょう。食事を与える回数は1日4回ほどが理想です。
高齢期用のフードに切り替えるタイミングは?
高齢猫は6歳~10歳が目安ですが、個体差があるため、年齢だけで判断するのは難しいといえます。高齢猫用のフードに切り替えるタイミングは、運動量が減りあまり遊ばなくなった頃です。ただし、関節炎などが原因で単に運動量が減っているケースもあるため、判断に困ったときは獣医さんに聞いてみましょう。
体調に合わせて用意したい、高齢期の猫のごはん
高齢期の猫のフードを選ぶ際は、消化が良いものを選ぶとおすすめ。その子の体調を見ながら食べるものを選んであげるとgoodです。
例えば消化機能が弱くなってきた子には生肉ではなく加熱した肉をあげたり、歯が悪くなってきた際はウェットフードを多めにしたり。また、成猫の際にお伝えしたフードの形状が大きすぎると食べにくいことがありますので、そのあたりの配慮も必要です。
気を付けたい!体調の変化と病気のこと

高齢期の猫は便秘を起こしやすく、腎不全や尿路結石などの病気を引き起こす可能性もありますので、常に体の状態をチェックしながら食事内容を考えてあげたいところです。なかには食事が合わなくなってくることで嘔吐を起こすこともありますので、そんなときはすぐに病院へ行きましょう。
高齢期の猫の場合、2週間に1回くらいは体重測定をして「体重が減りすぎていないか」確認することをおすすめします。
また、高齢期の増やすべき栄養素についても獣医さんに相談することで、猫の健康を守ることができます。少しでも気になることがあるときは、動物病院へ足を運んでみてくださいね。