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カリカリーナブログ

のりこ先生の”猫と人”

猫の脱水、どう見分ける?おうちでできるチェックポイント

カリカリーナのKAI工場長もお世話になっている、安房中央動物病院の作佐部紀子(さくさべ のりこ)先生に、猫の健康にまつわるあれこれを教えていただく連載コラム。第13回目は、「猫の脱水の見分け方」です。これから暑い夏を迎えるため、熱中症や脱水にも気を付けたいところ。今回は、脱水を見分けるためのチェックポイントをご紹介します。猫の健康を守るためにも、ぜひ猫の脱水について知っていただけたらと思います。

 


猫の脱水とは
① 嘔吐・下痢をしていないか?
② 飲水量は足りているか?
③ 尿・便の状態
④ 体重・体型の変化
⑤ 猫の歯茎や皮膚の状態
⑥ 眼球の陥没の有無
子猫や高齢猫に対して気を付けたいこと

 

猫の脱水とは

猫の脱水は、体内の水のin/outのバランスにおいて、outが多くなった場合に起こります。ここでいう脱水は、飲水量の低下、下痢・嘔吐出血や内分泌疾患(例えば糖尿病で尿が大量に出ることでの脱水)などが原因とされます。チェックすべき項目は、下記の通りです。

●    下痢・嘔吐をしていないか?
●    飲水量は足りているか?
●    尿・便の状態
●    体重・体型の変化
●    猫の歯茎や皮膚の状態
●    眼球の陥没の有無

次から、猫の脱水を見分けるポイントをひとつずつ紹介していきます。

 

①    嘔吐・下痢をしていないか?

猫が嘔吐下痢を繰り返すと脱水症状に陥ります。水分だけでなく体液のバランスを保つ塩分(電解質)も同時に体外へ排出され、重篤化します。放置すると腎不全や命に関わる状態になるため、嘔吐下痢がおさまらない場合は、すぐに病院へ連れていきましょう。

 

②    飲水量は足りているか?

まず、猫は1kgあたり、食事から摂取する水分を含めて約24cc~48ccの水分量が必要です。
猫の飲水量を把握するためにも、猫が水飲み場にどのくらい行っていて、どれほどの量の水を飲んでいるか確認しましょう。

猫の水飲み用の器の中には、計量メモリ付きのタイプもあるため、そのようなアイテムを使って飲水量をチェックするのもひとつの手です。

一点気を付けたいのが、病気を持っている猫ちゃんの飲水量について。持病によって飲水量も大きく変わってきます。病気の影響で水をたくさん飲む場合もありますので、持病がある子の飲水量については、予め獣医さんに聞いておくと安心です。

今、服用している薬が飲水量を増やす性質があるかどうか、どのように飲水させたらよいかを獣医さんに確認しておきましょう。


食べているフードにも注目

猫は、普段食べているキャットフードや生肉・魚からも水分を得ます。そこで気にしたいのが食べているフードがドライなのかウェットなのか、という点です。ドライフードの水分量は約10%ですが、ウェットフードの水分量は約85%もあります。つまり、ウェットフードを与えている方は、フードの水分量も猫の1日の飲水量にカウントできます。

ウェットフードを食べている子のなかには普段まったく水を飲まないこともありますが、病気がない子であれば、これはいたって正常な状態です。食べているフードに対して、どのくらいのお水を飲ませたら良いのか、わからない方はかかりつけの獣医に相談すると良いでしょう。

水を飲んでもらう工夫も必要

猫に水を飲んでもらうためにも、飲み水の置き場を工夫することが大切です。飲み水を置く場所はずばり、猫がリラックスできるところ。人がたくさん出入りするところは落ち着かないため、猫が水を飲みたくても飲めない…なんてことも起こります。そのため、飲み水を設置する場所はとても重要なのです。

また、猫に与える水は、水道水が最もおすすめです。手軽に何度も取り替えられて清潔を保ちやすいためです。

水分補給のコツについては下記で詳しく説明しています。
暑い夏…愛猫の健康のために、気を付けたいポイントは?/Point2: 水分補給のコツ

 

③    尿・便の状態

他に気になる症状は無いのに、いつもと比べて尿が濃くて少ないときは脱水のサイン。反対に薄いおしっこを大量にする場合や、量は変わらないけれど濃いおしっこをするときは、病気の可能性が考えられるのですぐ病院へ行きましょう。また、脱水時の便は、水が足りていないことからかちかち・固くなるので、日頃から便の状態も観察することが大切です。

 

④    体重・体型の変化

体重・体型の変化からも脱水を見抜くことができます。体重の減少に気が付くためにも、週1回は測定することをおすすめします。また、体を撫でたときに変化に気が付くこともあるため、日々猫の体を撫でて体型の変化がないか、気にするようにしましょう。

 

⑤    猫の歯茎や皮膚の状態

脱水を見抜くために、猫の歯茎と皮膚の状態も確認します。ここではCRTとツルゴール反応による脱水の見分け方について解説していきます。

CRTで歯茎をチェック

CRTとは、毛細血管再充満時時間の略称で、猫の歯茎を指で押して一時的に白くし、指を離した際に元のピンク色に戻るまでの時間を測ることをいいます。CRTを行った際に、歯茎の色が戻るまでに、2~3秒かかる場合は脱水している証拠。通常であれば約1秒で戻ります。

また、歯茎が異様に白い・赤いなど、色みがいつもとおかしいときも要注意。例えば口の中が赤い場合は、炎症しているサインなので、痛くて水が飲めていない可能性も考えられます。口の中の色がいつもと違うときは、すぐに病院へ行きましょう。猫の口の中の色みの変化に気が付くためにも、日頃から歯磨きの際に口腔内をチェックしてあげてくださいね。

ツルゴール反応で皮膚をチェック

ツルゴール反応は、猫の皮膚を指でつまんで元に戻るまでの時間を測り、脱水の有無を確認する方法です。まず猫の背中をつまんで捻ります。その後、手を離してから元に戻るまでの2秒以上かかる場合は脱水が疑われるため、この場合も即病院です。

ただし、病気の影響で体重が減っている猫や高齢猫、肥満猫は、皮膚ひねりテストを行っても脱水を見抜くことが難しいので、注意してください。体重が減っている猫や高齢猫は、脱水していなくても皮膚が戻る際に時間がかかります。また、肥満猫は脂肪が邪魔をしてひねること自体できないこともありますので、この場合は皮膚をつまんで脱水を見抜くことは難しいと覚えておきましょう。

 

⑥    眼球の陥没の有無

猫の眼球が陥没し、第三眼瞼(だいさんがんけん)が出ている場合、重度の脱水を起こしている可能性が高いです。第三眼瞼とは、猫の目頭(鼻側)の内側にある「第三のまぶた」のこと。猫がしっかり起きている状態なのに、両目の第三眼瞼(瞬膜)が出ている場合は、脱水しているサインです。脱水が進みすぎると、意識障害が起こるため少しでもおかしいなと思った場合は、すぐに病院へ行きましょう。

 

子猫や高齢猫に対して気を付けたいこと

子猫の場合は、飲み水を用意された器に口が届いていないことがあるため、うまく水を飲めるかどうか良く確認してあげることが大切です。

また、高齢猫は水を飲む際に顔に水がつくのを嫌がることから、水を上手に飲めなくなるケースもあります。これは老化により視力が低下しているため、水がよく見えないことから起こることです。この場合は、とろみ付きのお水にしたりウェットフードで水分をとらせたりするなど、工夫してあげると良いでしょう。とろみが付くことで舌にまとわりやすく、咽頭部を刺激しにくいので飲水後の咳き込みなどにつながりにくくなります。

作佐部 紀子

サクサベ ノリコ

安房中央動物病院 獣医師

日本獣医畜産大学(現 日本獣医生命科学大学)卒業
日本獣医ホメオパシー学会認定獣医師
日本中医獣医薬学院認定中獣医師

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