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カリカリーナブログ

猫とおしゃべり

色と規制と文化は、毛玉のように絡み合ってるニャ!ってことを猫と浮世絵から学んだよ、夏。

ライター 阿部真麩美

この夏の暑さといったら、本当に異常でした。
40度越えが全国で25地点も観測され、統計のある1898年以降で最も暑かったとか。
普段から家で仕事をしているため、出かける日は気温を確認し、うんざりしながら支度をしたものです。

そんな中、楽しみにしていた美術展が横浜で開催されました。
「Ukiyo-e猫百科 ごろごろまるまるネコづくし」です。
連日の酷暑の中、「行きたい、でも暑い」を日々繰り返し、終了直前の8月末に滑り込みで行ってきました。

今年は大河ドラマの主役が蔦屋重三郎のため、浮世絵関係の美術展が充実しています。
そこへ「猫」に特化した浮世絵とくれば、行かないわけにはまいりません。
出展作品も147作品と、ボリュームも充分でした。

猫の浮世絵といえば歌川国芳が有名で、今回の美術展でも国芳作品が充実していました。
国芳に猫絵が多いのは、本人が猫好きだっただけでなく、天保の改革による賜物だったことは初めて知りました。
経済改革の一環として下された倹約令により、浮世絵の色数は8色まで、価格は統一、歌舞伎役者や遊女の似顔絵も禁止になり、反発した国芳が幕府への風刺を盛り込んだ作品として猫を多用したのだそう。
中でも国芳の猫絵の始まりとして知られている「猫の百面相」は、歌舞伎役者の顔を猫に見立てて描いたもので、この役者絵猫が評判を呼び、どんどん猫絵が増えたのだとか。

こうした規制は庶民にとっては迷惑な反面、歴史的にみると優れた文化を生み出すきっかけになることもあります。
よく知られているのが、同じく江戸時代の奢侈禁止令(しゃしきんしれい)から生まれた四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)という色のバリエーション。
この禁止令で、庶民が着用できる素材は「麻」か「綿」で、色は「茶色」「鼠色」「藍色」に限定されてしまいました。
どんなに規制をされても、というか、規制をされればされる程、粋でいなせで見栄っ張りの江戸っ子気質の人々は、他人とは違うお洒落を楽しみたいとばかりに、誰からも見えない裏地に刺繍を施したり、かすかに異なる色を次々と生み出しました。
その数、茶色が48色、鼠色が100色で四十八茶百鼠。
実際は、それぞれ100色以上あるそうで、微妙な違いを見極められる眼力を持っているかどうかが、「洒落」の決め手になったのでしょう。

また、色は文化を発展させる側面もあります。
18世紀にヨーロッパから輸入された合成顔料ベロ藍が、水や空の表現を豊かにし、風景画のジャンルを大きく発展させたのは有名です。
北斎の「神奈川沖浪裏」も、広重の「東海道五十三次」も、ベロ藍がなければ世界を魅了することはなかったかもしれません。

そして、幕末から明治にかけて輸入された合成顔料アリニンは、鮮やかな赤が特徴。
社会状況の変化を描いた開化絵に多用されたことで、赤は文明開化を象徴する色となりました。
こうしてみると、規制と文化と色は、三つ巴のように絡み合ってきたのですね。

ということで、カリカリーナでも秋の恒例「あなた色キャンペーン」が始まりました。
このキャンペーンの素晴らしいところは、何の規制もなく好きな色が選べること。


757パターンの中から自分好みの組み合わせを指定できるのですが、これだけ豊富だと逆に何色を選んだら良いのか迷ってしまうというご意見もあるでしょう。
そんな方に提案したいのが、今年は微妙な色合いの2色で江戸の粋を表現すること。
遠目で見ると同じ色に見えるのに、近くで見たら微妙に違うのね!というラインが狙い目です。
例えば、モーブとライラックとか、ライトレモンとプリムローズレモン。
個人的には、ボルドーとアンティークレッドの渋さが秋らしくて好みです。


モーブ×ライラック


ライトレモン×プリムローズレモン


ボルドー×アンティークレッド

 

こんな色遊びができるのも、「あなた色」ならでは。
「あなた」だけが満足できるお洒落を、猫さんと共有して見てはいかがかニャ。

 

阿部 真麩美

アベ マフミ

大好きな「猫検索」で、気がつくと徹夜している猫大好きライター

人生の25年間を6頭の猫と暮らし、今は7頭目との出会いを待ちわびています。

老後の趣味を探すため、お習字、水墨画、茶道を始めたものの、どれも落ちこぼれ中。

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