ライター 阿部真麩美

先日インスタグラムで、首に巻き付いたプラスチックのリングを取り外してもらったペンギンが、助けてくれた救助隊員にお礼に魚を持ってきた、という動画を見ました。
しかも、数匹の仲間を引き連れて、それぞれが魚を咥えてきているのです。
これってフェイク動画?助けられた本人というか本ペンギンだけならまだしも、仲間まで一緒に?という疑問がよぎりました。
ただ、ペンギンについては侮れない話があります。
油まみれで死にかけていたところを救われたペンギンが、助けてくれたお爺さんのところに数千キロの旅をして、毎年のように会いにくるそうなのです。
ブラジルで実際にあった「ペンギンの恩返し」として有名な話で、テレビや雑誌でも取り上げられているので、ご存知の方も多いと思います。
また、ペンギンの相関図で人気のすみだ水族館には、浮気をしたペンギンが証拠隠滅のために体を洗ってから家に帰るとか、仲のいい夫婦を覗きにきたりするというエピソードがてんこ盛りで、ペンギンは豊かな感情を持っていることがわかります。
これらを踏まえると、仲間を連れて恩返し、というのもあり得ない話ではないのかもしれません。

そこで我ら愛猫家が考えるのは当然、猫の恩返し。
例えば昔話なら、貧しいお寺の住職を助けるために妖怪のふりをして一肌脱いだ「猫檀家」や、いつも残り物の魚をくれる魚屋が病気で倒れた時、小判を持ってきて恩返しをした「猫の小判」の話が思い浮かびます。
でも、これらはみんな創作ですよね、多分。
そこで、私のニャットワークで入手した、リアル猫の恩返しのお話を紹介いたしましょう。
友人のKちゃん宅の庭には、時々野良猫が出入りしていました。
猫好きで飼い猫もいたのでちょっとかまいたかったのですが、目が合うと姿を隠す。
なので、適度な距離を取りながら庭を提供していました。
ある日、軒下にその猫がうずくまっていて、近づいても逃げないので様子を見たら疲れたようにぐったりしていたそう。
少し経過をみようと思い、水と飼い猫のご飯を分けてあげたら、ゆるゆると水を飲み、ご飯を食べていたので安心してそのままにしたところ、夜にはいなくなったとか。
ところが、翌日も同じように軒下でぐったりしていたので、またお水とご飯のおすそ分け。
それを数日繰り返したら来なくなったので、体調が戻ったのだろうとそのまま忘れていたら、ある日その猫が黄色いものを咥えて庭にやってきて、Kちゃんの顔を見てからそっとそれを置いて姿を消したんですって。
何かと思って拾ってみると、その地域で指定されている20リットルのゴミ袋。
ちょうどゴミ袋を切らしていて、買いに行かなきゃと思っていたKちゃんは感動し、「猫がゴミ袋くれたの〜」と私に連絡をくれたのでした。
これを恩返しと言わずして、なんと言おう!

そう、猫が持ってくるネズミや虫は恩返しというより愛情表現のように感じるのですが、実際に役立つゴミ袋というとニュアンスが変わる。
これぞまさに、恩返し中の恩返し、じゃありませんか!
もちろん、何も持ってきてくれなくても、猫は存在しているだけでたくさんのものを与えてくれますよね。
だからこそ、飼い主からも恩返しをしたくなるはず。
そこで選ばれるのが、カリカリーナなのではないかしら。
猫さんは喜んでくれるし、飼い主は削りカスが出ないから掃除が楽になるし、双方にとっていいことづくめ。
あら、これって猫の恩に報いようとした人間がカリカリーナで恩返ししたら、幸せになった猫がその姿を見せてくれるという恩返しをしてくれて、さらにこちらが嬉しくなってしまうという、恩返しの無限ループ状態じゃないですか。
そう、幸せは無限に大きくなるってことなんニャ。
